武田科学振興財団の武田医学賞とは?受賞基準や受賞者のまとめ情報
公益財団法人 武田科学振興財団の武田医学賞についてまとめてみました。
武田科学振興財団とは?
財団名:公益財団法人 武田科学振興財団
所在地:〒541-0045 大阪市中央区道修町二丁目3番6号
設立 : 1963年9月30日
設立者:武田長兵衛
理事長:飯澤祐史
武田薬品工業株式会社からの寄附をもとに、「科学技術の研究を助成振興し、我が国の科学技術及び文化の向上発展に寄与する」ことを目的に設立された公益財団法人です。
武田医学賞とは?
武田医学賞は、日本の医学界で確たる業績を挙げ、優れた貢献を果たした研究者に贈呈されます。
1953年、武田薬品工業創業170周年の記念事業として、日本の医学界の優秀な研究者に対する褒賞として武田医学賞を贈ることが決められました。1954年に第1回から1963年の財団設立とともに財団事業として今日まで継承されています。2024年で創設・贈呈開始から70周年を迎え、受賞者は140名を超えました。
受賞者一覧
https://www.takeda-sci.or.jp/takeda-prize/list.php
受賞年度 | 受賞者名 | 受賞テーマ |
2024年度 | 服部 信孝 博士 | 遺伝子解析を基盤としたパーキンソン病の発症機構解明 |
岩田 想 博士 | 医学・薬学に資する膜蛋白質の三次元構造ならびに時間分解を加えた四次元構造解析の研究 | |
2023年度 | 上田 龍三 博士 | 成人T細胞白血病・リンパ腫に対する抗体医薬開発のトランスレーショナル・リサーチ |
後藤 由季子 博士 | 細胞運命を制御するシグナル伝達の解明 | |
2022年度 | 畠山 昌則 博士 | バクテリア由来分子による発がんシグナル伝達系に関する研究 |
岡部 繁男 博士 | イメージングによる神経回路動態の解明 | |
竹田 潔 博士 | 腸管恒常性を維持する分子基盤の解明 | |
2021年度 | 藤木 幸夫 博士 | ペルオキシソームの形成と欠損症研究によるオルガネラ病概念の確立 |
松島 綱治 博士 | ケモカインの発見による白血球浸潤機序の解明と創薬への貢献 | |
2020年度 | 一條 秀憲 博士 | ストレス応答の分子機構解明に基づく創薬基盤の創成 |
宮脇 敦史 博士 | 革新的生命可視化技術の開発研究 | |
2019年度 | 影山龍一郎 博士 | 神経幹細胞の制御機構の解明と制御技術の開発 |
岩井一宏 博士 | 直鎖状ユビキチン鎖の発見とその病態生理学研究 | |
2018年度 | 祖父江元 博士 | 運動ニューロン疾患の発症責任機序の同定とそれに基づくdisease-modifying therapy の開発 |
横山茂之 博士 | 転写・翻訳の構造基盤の解明と応用 | |
2017年度 | 木下タロウ 博士 | タンパク質GPI アンカーの生合成と欠損症 |
小川誠司 博士 | 成人T細胞白血病の分子基盤とがんの免疫回避に関わる新たなメカニズムに関する研究 | |
2016年度 | 豊島近 博士 | イオンポンプの輸送・制御機構の原子構造による解明 |
斎藤通紀 博士 | 生殖細胞の発生機構の解明とその試験管内再構成 | |
2015年度 | 稲葉カヨ 博士 | 免疫応答の始動と制御における樹状細胞機能の解析 |
渡邊嘉典 博士 | 染色体分配の制御機構の研究 | |
2014年度 | 高井義美 博士 | 細胞間接着の機能と制御機構 |
長澤丘司 博士 | 造血幹細胞と血液・免疫細胞の産生を調節する微小環境(ニッチ)の解明 | |
濡木理 博士 | 細胞膜を介した物質輸送の分子機構の研究 | |
2013年度 | 坂野仁 博士 | 嗅覚系における神経地図形成の基本原理の解明 |
米田悦啓 博士 | 核―細胞質間分子輸送機構解明に基づく高次生命機能の理解に関する研究 | |
2012年度 | 三品昌美 博士 | 記憶学習の分子機構に関する研究 |
笹井芳樹 博士 | 器官発生の機序解明と試験管内再現 | |
2011年度 | 門脇孝 博士 | 2型糖尿病の分子機構に関する研究 |
水島昇 博士 | オートファジーの分子機構と生理学的意義に関する研究 | |
2010年度 | 西田栄介 博士 | 細胞内シグナル伝達の分子機構に関する研究 |
間野博行 博士 | 肺がん原因遺伝子の発見と分子標的療法への展開 | |
2009年度 | 中尾一和 博士 | 新規ホルモンのトランスレーショナルリサーチ |
田中啓二 博士 | プロテアソームを基軸としたタンパク質分解系の先駆的研究 | |
2008年度 | 藤原哲郎 博士 | 新生児呼吸窮迫症候群の治療法の確立 |
宮園浩平 博士 | TGF-βファミリーのシグナル伝達とヒト疾患に関する研究 | |
山中伸弥 博士 | 多能性幹細胞の維持と誘導 | |
2007年度 | 鍋島陽一 博士 | 動物個体の形成と機能維持の分子機構の研究 |
春日雅人 博士 | インスリン作用と糖尿病の発症機序に関する研究 | |
河岡義裕 博士 | 新型インフルエンザウイルスの制圧に関する研究 | |
2006年度 | 北村惣一郎 博士 | 川崎病による炎症性冠動脈疾患に対する外科治療法の開発 |
笹川千尋 博士 | 細菌の粘膜感染と宿主応答の細胞生物学的研究 | |
2005年度 | 寒川賢治 博士 | グレリンの発見とその基盤的研究 |
坂口志文 博士 | 制御性T細胞の発見とそれを用いた免疫応答制御の研究 | |
2004年度 | 松澤佑次 博士 | 脂肪細胞研究を基盤にした生活習慣病の解明 |
御子柴克彦 博士 | 脳神経系の発生・分化機構の研究 | |
2003年度 | 清水孝雄 博士 | 脂質メディエーターに関する総合的研究 |
審良靜男 博士 | 自然免疫による病原体認識機構に関する研究 | |
2002年度 | 谷口直之 博士 | 糖鎖と糖鎖遺伝子の新しい機能の解析 |
野本明男 博士 | ポリオ根絶計画を支える基礎的研究 | |
2001年度 | 笹月健彦 博士 | MHCによる免疫応答の制御と免疫システムの構築および免疫関連疾患の制御に関する研究 |
田中紘一 博士 | 生体肝移植の確立と展開に関する研究 | |
2000年度 | 泰江弘文 博士 | 冠動脈攣縮の成因と臨床的意義に関する研究 |
永井美之 博士 | ウイルス病原性の分子的基盤 | |
1999年度 | 真弓忠 博士 | 血清肝炎ウイルスに関する研究 |
成宮周 博士 | プロスタノイド受容体と低分子量G蛋白質Rhoの分子薬理的研究 | |
1998年度 | 廣川信隆 博士 | 細胞内物質輸送の分子機構についての分子細胞生物学的研究 |
堀田凱樹 博士 | 神経系における細胞運命決定の分子生物学的機構 | |
1997年度 | 矢崎義雄 博士 | 心血管系における分化と適応に関する基礎的・臨床的研究 |
北村幸彦氏 | マスト細胞の分化過程と分化制御に関する研究 | |
1996年度 | 杉田秀夫 博士 | 筋ジストロフィーの病態の究明 |
小澤鍈二郎 博士 | 筋ジストロフィーの病態の究明 | |
中村祐輔 博士 | ヒト遺伝子多型マーカーの単離とがんを中心とした疾患遺伝子の解析 | |
1995年度 | 垂井清一郎 博士 | 糖代謝異常疾患の臨床的・分子生物学的研究 |
伊東信行 博士 | 発がん物質の中期検索法の確立と抗酸化剤の発がん性に関する研究 | |
1994年度 | 荒木淑郎 博士 | アミロイドーシスに関する研究 |
竹田美文 博士 | 腸管感染症菌が産生する下痢原因毒素の構造と機能の研究 | |
1993年度 | 井形昭弘 博士 | HAMを中心とした各種神経疾患の研究 |
岡本宏 博士 | インスリン産生細胞破壊とその防止の機構(岡本モデル)の提唱とその展開 | |
1992年度 | 阿部裕 博士 | クリニカルサイバネティクスの確立 |
青木延雄 博士 | 血栓溶解の制御機構に関する研究 | |
1991年度 | 小澤和惠 博士 | 肝臓外科に関する研究 |
寺田雅昭 博士 | ヒトがんにおける新しいがん遺伝子の発見と多重遺伝子変化の研究 | |
1990年度 | 佐々学 博士 | 多くの新種病原動物の発見とそれによる疾病駆除法の研究 |
真崎知生 博士 | 平滑筋の構造と収縮機能に関する研究 | |
1989年度 | 多田啓也 博士 | 先天代謝異常症の病因並びに病態解明に関する研究 |
髙久史麿 博士 | 血球の分化と腫瘍化に関する分子生物学的アプローチとその臨床的意義 | |
1988年度 | 本庶佑 博士 | リンパ球を調節するサイトカイン及びそのレセプターの研究 |
岸本忠三 博士 | リンパ球を調節するサイトカイン及びそのレセプターの研究 | |
白壁彦夫 博士 | 胃のX線二重造影法の開発とその応用による我が国胃がん治療成績の向上 | |
市川平三郎 博士 | 胃のX線二重造影法の開発とその応用による我が国胃がん治療成績の向上 | |
1987年度 | 川崎富作 博士 | 川崎病の発見とその疫学、診断治療に関する研究 |
中西重忠 博士 | 神経内分泌の分子生物学的研究 | |
1986年度 | 曲直部壽夫 博士 | 心臓外科学研究 |
井村裕夫 博士 | 神経ペプチドの生理的臨床的意義に関する研究 | |
1985年度 | 豊島久真男 博士 | がんウイルスに関する研究 |
吉田光昭 博士 | がんウイルスに関する研究 | |
三好和夫 博士 | 免疫グロブリン病並びに筋ジストロフィー症に関する研究 | |
1984年度 | 山野俊雄 博士 | フラビン酵素並びにチトクロームP-450に関する研究 |
松尾壽之 博士 | ヒト心房性ナトリウム利尿ホルモンの発見と構造決定 | |
1983年度 | 石川七郎 博士 | 現代癌診療学の確立業績 |
垣内史朗 博士 | カルモデュリンの発見とその関連業績 | |
高月清 博士 | 成人T細胞白血病及びその成因ウイルスに関する研究 | |
日沼賴夫 博士 | 成人T細胞白血病及びその成因ウイルスに関する研究 | |
1982年度 | 梶谷鐶 博士 | 消化管癌の外科治療に関する業績 |
西塚泰美 博士 | ホルモン及び神経伝達物質の受容機構に関する研究 | |
1981年度 | 三輪史朗 博士 | 赤血球酵素異常症の遺伝生化学的並びに臨床的研究 |
香川靖雄 博士 | 生体膜におけるエネルギー変換系の再構成 | |
1980年度 | 柴田整一 博士 | 腎炎惹起物質Nephritogenocideに関する研究 |
上代淑人 博士 | 蛋白質生合成反応の分子機構 | |
1979年度 | 長野泰一 博士 | ウイルス抑制因子(インターフェロン)に関する研究 |
荒川雅男 博士 | 葉酸等の先天性代謝異常に関する研究 | |
1978年度 | 渡邊正毅 博士 | 関節鏡に関する研究 |
山村雄一 博士 | 免疫反応並びにその増強、抑制に関する研究 | |
1977年度 | 宮崎一郎 博士 | 寄生虫に関する研究 |
大塚正徳 博士 | 神経伝達物質に関する研究 | |
1976年度 | 市川篤二 博士 | 腹部大動脈のX線撮影法並びに化学療法に関する研究 |
中村隆 博士 | 慢性閉塞性肺疾患に関する基礎的並びに臨床的研究 | |
1975年度 | 勝木司馬之助 博士 | 脳卒中の疫学的研究-福岡県久山町における追跡疫学 |
岡田善雄 博士 | HVJによる細胞融合現象の発見と細胞工学的応用 | |
1974年度 | 長石忠三 博士 | 肺外科開拓の研究 |
杉村隆 博士 | 化学発癌とくに実験胃癌に関する研究と癌の生化学特性に関する研究 | |
1973年度 | 釜洞醇太郎 博士 | ウイルス感染と細胞癌化の感染病理学的研究 |
石坂公成 博士 | 免疫グロブリンEの発見とレアギン型アレルギーの機序に関する研究 | |
1972年度 | 西丸和義 博士 | 脈管学の基礎的研究 |
藤野恒三郎 博士 | 腸炎ビブリオの発見 | |
1971年度 | 原亨 博士 | 満州地方病性心筋障害症(克山病)の研究 |
三宅博 博士 | 胆石症の研究 | |
1970年度 | 木本誠二 博士 | 血管、心臓外科の研究 |
榊原仟 博士 | 心臓外科の研究 | |
1969年度 | 中沢房吉 博士 | 狭心症及び浮腫と膠滲圧に関する研究 |
中村文雄 博士 | 喉頭の筋電図学的研究 | |
1968年度 | 武田勝男 博士 | 癌の免疫に関する研究 |
吉松信寶 博士 | トリプトファン代謝並びに産婦人科領域における諸種の化学的研究 | |
1967年度 | 福田得志 博士 | 心臓血管系統の薬理並びにフグ中毒の研究 |
中川諭 博士 | 肝臓機能及び癌に関する研究 | |
1966年度 | 岡治道 博士 | 結核症の病理解剖と臨床との関係に関する研究 |
井上硬 博士 | 肝臓疾患並びに栄養障害に関する研究 | |
1965年度 | 木下良順 博士 | 癌発生に関する研究 |
尼子富士郎 博士 | 老人医学の研究 | |
1964年度 | 暉峻義等 博士 | 労働衛生学の研究 |
栗山重信 博士 | 小児科医学の研究 | |
1963年度 | 藤田敏彦 博士 | 感覚生理の研究 |
小澤凱夫 博士 | 胸部外科の研究 | |
1961年度 | 戸田忠雄 博士 | 結核菌の研究 |
荻野久作 博士 | 受胎に関する研究 | |
1960年度 | 中田瑞穂 博士 | 脳外科に対する多年の研究 |
1959年度 | 田宮猛雄 博士 | 地方性リケッチヤ病の研究 |
1956年度 | 平澤興 博士 | 錐体外路系に関する研究 |
1955年度 | 小川鼎三 博士 | 錐体外路系に関する研究 |
1954年度 | 久留勝 博士 | 脊髄後角内における疼温度伝導に関する細胞群の決定 |
表彰授与式
毎年11月にオークラ東京にて、武田医学賞贈呈式が開催されています。
理事長の挨拶をはじめ、選考委員長による選考経過報告の後、受賞者に賞状、賞牌(メダル)、楯、副賞が贈られます。その後、受賞者による研究業績についての講演が実施されます。