上月財団40周年まとめ情報(1982年~1991年)

財団の周年まとめ

一般財団法人 上月財団は2022年に設立40周年を迎えたようです。
図書館で「人を育み、未来を創る 一般財団法人 上月財団 40周年記念誌」が借りられたので、社会貢献に尽力している財団の歴史についてまとめてみました!今回は1982年~1991年頃について紹介します。

財団法人 上月教育振興会

上月財団は、1982年6月17日に「財団法人 上月教育振興会」として兵庫県に設立したそうです。
教育関係者への助成をはじめ、教育・文化の推進、学生への奨学金事業を目的としていました。
設立者であり理事長の上月景正氏は、「平和な社会を築いて豊かな暮らしを創造するためには、人を育てる教育こそが何よりも大切」という考えを持っていたようです。
欧米諸国では民間人が教育に対して積極的に財政的援助をしていることを知り、企業活動で得た利益を教育の進展に役立てる形で社会に還元しようと考えたそうです。

設立当初、事業活動費は必ずしも潤沢ではなく、運営ノウハウにも乏しかったようです。しかし、この財団の活動を発展させていくことで社会貢献するという信念が揺らぐことはありませんでした。

当時の事業

設立当初は、「教育研究助成事業」「奨学助成事業」「教育・文化活動事業」の3つの事業を行っていたといいます。

①教育研究助成事業
兵庫県内の教育機関に勤め、教育・文化の振興に寄与する研究者に対して研修助成を行っていたようです。
研究テーマは、工業高校での先端テクノロジーを学習するための教材開発や、授業へのコンピュータ活用など多岐にわたり、14年間で148件を助成したのだとか。研究成果は、「Σ(シグマ)」という研究生報告集を出版し、無償で配布しました。
教育関係者への支援としては、研修の場として上月セミナールームの無償提供などを行ったようです。

②奨学助成事業
進学意欲があるにも関わらず、経済的理由によって大学進学が難しい学生延べ305人に育英奨学金を給付。ほかにも、高校の修学旅行などに経済的理由で参加できない生徒をサポートする「修学助成事業」は、1984年~1998年までの15年間に累計655人を支援したそうです。

③教育・文化活動事業
各界から有名な講師を招き、教育文化講演会開催を支援する「ひょうご文化活動」を行ったといいます。1982年に開催された「ひょうご教育文化講演会」には、京都大学教授の多田道太郎氏、作家の野坂昭如氏などが登壇。1983年度以降も版画家の池田満寿夫氏などを招いたそうです。また、女優でタレントの黒柳徹子氏の講演とファミリーコンサート「窓ぎわのトットちゃん」は大反響を呼んだとのことです。
地域文化活動にも注力し、兵庫県各地域の伝統文化の継承・振興のためにシンポジウムやコンサートなど文化事業を助成していたようです。

上月教育財団に名称変更

振興会の設立趣旨や想いは、少しずつ周囲に浸透していったそうです。そして1985年10月、「財団法人 上月教育財団」と名称を変更。
10年目の節目を迎えるにあたり、上月景正氏は「激変する社会にあって、多様化する人々の教育ニーズを的確に把握し、皆様の期待に応える」と意気込みを語っていました。
人づくりこそ後世に残す最大の財産であり、教育こそ立国の基盤であるという信念に基づき、活動継続に向けて決意を新たにしたといいます。

まとめ

上月教育振興会は、教育関係者への助成をはじめ、教育・文化の推進、奨学助成などを目的に設立されました。設立当初は資金もノウハウも乏しかったようですが、社会貢献するという強い信念を持って活動を続けていました。実際にたくさんの人や団体にサポートを行い、教育・文化活動に寄与してきたことがわかりました。